JPEDでは伝えるための基礎を学んでいただきます。その基礎とは文法・構文と語法・表現です。
「基礎」とは誤解されやすい言葉です。しばしば「基礎=簡単」と勘違いして、「私は基礎は大丈夫だから」と基礎をおろそかにしてしまう人がいます。
しかし「基礎」と「簡単」は違います。基礎とはあくまで「大切なこと」という意味であって、中にはしっかりとした理解が必要な少々複雑なものでも「基礎」に分類されるものもあります。
大切なことは何が基礎で何がそうではないかを見極めること、そして基礎を単に丸暗記するのではなく、ネイティヴの言語感覚も取り入れながら理解しトレーニングを重ねることです。
そうすれば、無機質な丸暗記に膨大な時間と労力を費やすことなく、英語を正しく使うことができるようになるのです。
例を2つ挙げてみましょう。まずは語法・表現についてです。
多くの方がgetという単語はご存知だと思います。この単語を私の手元にある、大学受験などでもよく使われる辞書で引いてみると、大別すると23、細かく分けると55個もの意味が載っています。これにいわゆる熟語表現なども加えると…ゾッとしてしまいます。
しかし、ネイティヴにとってgetはget以上でもなくget以下でもないのです。
ではネイティヴにとってgetとは何か、これを理解すればgetのさまざまな意味も腑に落ちて、getをうまく使いこなせるようになるのです。この「ネイティヴにとってgetとは何か」を学ぶことが「基礎を学ぶ」ということです。
文法・構文についても考えてみましょう。不定詞(to+動詞の原形)を例にとってみます。
不定詞には名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3つの用法があり、特に副詞的用法には目的・感情の原因・判断の根拠・形容詞の修飾・条件・結果の6つの意味があります。
しかしやはりネイティヴにとってはto+動詞の原形はそれ以上でもそれ以下でもありません
もっと言えば、不定詞のtoも前置詞のtoもネイティヴにとってはto以外の何物でもないのです。
ここでもやはり「ネイティヴにとってto+動詞の原形とは何か」「ネイティヴにとってtoとは何か」を学ぶことが「基礎を学ぶ」ということです。
従来の日本型の英語学習が全く無意味だとは言いません。しかしそこには「基礎=本質の理解」という視点がなおざりにされてきた部分があるように思われます。「これはこういう言い方です」「これは覚えるしかありません」「こういう使い方をすることになっています」で済まされてきた部分が散見されます。
JPEDで学んでいただくのは、上に例を挙げたような本質と「なぜ」に着目した英語の基礎です。そしてそれらを実際に使うトレーニングを重ねる中で、しっかりと身に着けていただくことがJPEDの存在意義なのです。
JPEDでは実例に即した例文で学ぶことを大切にしています。
たとえば“This is a pen.”とか“Is this a dog or a cat?”などという例文は、かつては中学英語の教科書の定番例文でした。
このような例文にまったく意味がないとは言いませんが、しかし実際にこのような英語を話す機会はほぼ皆無ではないでしょうか。
同じ時間をかけて学ぶならば、ちょっと背伸びをしてでも“This is a document for tomorrow’s meeting.”という例文で練習した方が実効性があるでしょう。
“Iwish I were a bird.”などという例文は仮定法を学ぶときによく出てきますが、それこそ一生涯のうちに一度も使わないのではないでしょうか。
“I wish I were in your position.”に変えれば、実際に使う機会がある可能性がグッと増します。
このように実効性のある例文を通じて、英文法・構文・語法・語彙を学んでいただくのがJPEDのレッスンです。
JPEDでは主に社会人の受講生を対象としています。この点を考慮してご指導に当たり配慮していることがあります。
それは語学的には基礎を学ぶとしても、内容は社会人が学ぶに足る高度さを備えているということです。
英文構成の練習にしてもリーディングの練習にしても、テーマとして扱う内容が小学生や中学生が勉強するようなものであっては、知的な満足感・達成感を得ることはできません。
かと言って、日常からあまりにもかけ離れた思索的・哲学的な内容ばかりであっても、やはり興味を引くことは難しいものです。
言語は今を生きるために駆使するものです。この点を考慮し、トレーニングのテーマを選定しています。