Quote:Rooseveltに学ぶ接続詞の”where”

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“Do what you can, with what you have, where you are.”

Theodore Roosevelt

【QUOTE】名言のあらまし

「できることをしなさい。今あるもので、今いる場所で。」

アメリカ史上、最年少の大統領(就任時)だった第26代大統領・Theodore Roosevelt(セオドア・ルーズベルト)

日露戦争では日本とロシアの調停役を務め、ポーツマス条約の締結に尽力した功績でノーベル平和賞を受賞した人物です。

「若い大統領」と言えばジョン・F・ケネディ、「ルーズベルト」という名前では第二次世界大戦時のフランクリン・ルーズベルトの方が有名で、日本では知名度の低いセオドア・ルーズベルトですが、ニューヨーク州議会議員(当時最年少)、連邦議会下院議員、海軍次官、ニューヨーク州知事などを歴任した人物です。

セオドア・ルーズベルトの驚くべきことは、下院議員を務めた後で一転、ノースダコタ州の牧場で下働きをしたり、海軍次官を務めた後で、陸軍の一士官として小さな連隊を率いてキューバで従軍したりしたという、数奇な経歴を持つということです。

日本でもおなじみのテディ・ベアの「テディ」は、セオドア・ルーズベルトの愛称「Teddy(テディ)」に由来しています。

今回はそんなセオドア・ルーズベルトの名言を取り上げてみたいと思います。

Do what you can, with what you have, where you are.

上記のようなルーズベルトの経歴を考えてみると、この言葉の重みが増します。

議員だろうが、知事だろうが、大統領だろうが、軍人だろうが、牧場の下働きだろうが、「できることを」「持てるものを使って」「自分のいる場所で」やっていれば必ず道が開けるものだ。

さて、今回はこの名言から”where”の用法を学んでいきましょう。

【POINT】接続詞のwhere

1.接続詞のwhere

whereと言えば、疑問詞として用法がダントツで有名ですよね。

Where is his office?
彼の職場はどこですか?

Where do you live?
あなたはどこに住んでいますか?

I want to know where they will have their next concert.
彼らが次はどこでコンサートするか知りたいです。

これら用法は皆さんよくご存じだと思います。

しかし今回取り上げるのは”接続詞のwhere”です。

「~の場所で・~の場所へ」という意味で用いられています。

これは接続詞ですからうしろにはS+Vが続きます。

Don’t speak loudly where people are studying.

「みんな(人々)が勉強している場所では大声で話してはいけません。」

whereという接続詞のうしろにS+Vと続いていることが確認できますね。

whereはwhenと同じように副詞節を作ります。

ということは” where people are studying”の部分のが文頭に出て、

Where people are studying, don’t speak loudly.

としてもOKです。

2.関係副詞のwhere

whereと言えば関係副詞も有名ですね。

関係副詞のwhereは、直前に「先行詞」と呼ばれる名詞がつきます

先ほどの”Don’t speak loudly where people are studying.”を関係副詞を使って言い換えると、

Don’t speak loudly in the place where people are studying.

のようになります。whereの前に”the place”という名詞がついていますね。

しかし、先ほど見たように”Don’t speak loudly where people are studying.”で意味が通じるのならば、どうしてわざわざthe placeをつけるのでしょうか?

結論を言えば、どんな場所の話をしているのか詳しく示したいのなら、whereの前に名詞をつければよいのです。

一方、文脈上または常識的に、どんな場所のことなのかはっきり分かっているならば、whereの前に名詞をつけなくても良いということです。

我々はノンネイティヴですから、「接続詞」とか「関係副詞」とか、文法的な分類をすることは理解を助ける上で意義のあることです。

しかしネイティヴはそんな分類を考えません。

先ほど言ったように、どんな場所か詳しく示したいかどうか、そのような「感覚的」な判断を下しているのです。

whereのうしろにS+Vをつけるだけで「~の場所で・~の場所へ」というかたまりを作ることができるということは、知っておくととても便利です。ぜひ活用してみてください。

3.whereを使った例文

接続詞のwhereを使った例文をいくつか挙げておきましょう。接続詞のwhereの用法に注意しながら、意味を考えてみてください。

1.I can’t believe he has gone where the war is going on.

2.Where there is a will, there is a way.

3.At a wedding reception.
A: Honey, the band is playing. Let’s dance to the music!
B: I don’t think so. I don’t like dancing where people are eating.

4.Our boss is so insensitive that he always makes silly jokes where we are seriously discussing the sales strategies.

【訳文例】

1.彼が戦争が進行している場所へ行ってしまったなんて信じられない。

2.意志がある場所に道がある。(格言:意志ある所に道通ず)

3.結婚披露宴で。
A:あなた、バンドが演奏しているわ。音楽に合わせて踊りましょうよ。
B:止めとこうよ。僕は人が食事をしているところで踊るのが好きじゃないんだ。

4.私たちの上司はとても鈍感で、私たちが販売戦略について真剣に議論しているところでいつもくだらない冗談を言う。

今回はセオドア・ルーズベルトの言葉を通して、接続詞のwhereを取り上げてみました。
よく使われる便利な接続詞なので、ぜひ活用してみてください。