独学でスピーキングが上達!”Self Talking”練習法

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独学でスピーキングを上達させるために有効だとされるのが「独り言」と呼ばれるやり方です。筆者はこのやり方をSelf Talkingと呼んでいます。Self Talkingは発信力・スピーキング力を高めるためにとても有効で、筆者自身も自分の英語力を維持し上達させるために毎日行っています。今回はSelf Talkingがなぜ有効なのか、そしてスピーキングの練習方法のヒントなどについて考えてみたいと思います。

1.スピーキングの上達には反復練習が大事!

スピーキングを上達させるために欠かせないのは反復練習です。

言いたいことをうまく言えるようになるまで何度も練習すること、上手く表現できないことは辞書などで調べつつ、自分なりに納得のいくまで練習することが大切です。

しかしネイティヴを相手にしながら「うまく言えるまで付き合ってね!」と言って、10回も20回も同じことを繰り返すことはなかなか難しいことです

友達や知り合いのネイティヴ相手にこれをやってしまうと、相手にとって迷惑でしょうし、ネイティヴ相手のレッスンでこれをやるとレッスン時間がもったいないことになります。

やはり反復練習は自分ひとりの時間にコツコツと行うべきものなのです。このコツコツと独学で行う練習がSelf Talkingなのです。

ネイティヴ相手のフリートークばかり行って、なかなか英語の上達を感じることができない人には、この反復練習=Self Talkingを取り入れていない人が多いように思います。逆を言えば、Self Talkingをうまく取り入れている人はスピーキング力がメキメキ向上していくのです。

言葉を変えれば、スピーキングの上達には独学の時間こそ大事だと言えるのです。

2.「自分のこと」をスピーキングの練習素材に!

では独学でSelf Talkingを行うときにいったい何を話して練習すればよいのでしょうか?

まずは自分のことを話す、つまり自己紹介してみるとよいでしょう。

ここで言う「自己紹介」とは単に、「私の名前は〇〇です。△△出身で、いまは××に住んでいます。年齢は□□です」などという通り一遍のものではありません。できるだけ深めて話す練習をしてみます。

「名前」について話すのであれば、自分の名前について少し踏み込んで話してみるとよいでしょう。たとえば「僕の名前は鈴木太郎です」というスピーキングだけであればあっと言う間に終わってしまいます。しかし、

僕の名前は鈴木太郎です。鈴木の『鈴』は『bell』という意味です。『木』は『tree』という意味です。どうして僕の苗字が『鈴木』なのかは分かりませんが、『鈴木』という苗字の人はかなり多く、現在の日本では約〇〇万人の『鈴木』さんがいます。『太郎』という名前は伝統的に長男につけられる名前です。僕は3人兄弟の二番目ですが、なぜか両親は僕に『太郎』と名付けました。なぜ僕に『太郎』とつけたのか、今度両親に聞いてみようと思います。

このように自分の名前について踏み込んで説明してみれば、それだけでかなりの分量のスピーキング練習ができます

その中で「現在の日本」とはどう表現すればよいか、「長男」はどんな言い回しをするのか、「今度」はどう言えばよいか、など色々と疑問が出て来るはずです。

その疑問を辞書などを使い解決しながらSelf Talkingを行えば、スピーキングの練習にボキャブラリービルディングの要素もプラスでき、語彙力の上達も期待できます。

このような練習スタイルであれば、目の前に英語の教師がいなくても、独学で行うことができるはずです。

スピーキングが上達するために大切なのは「行き当たりばったりで話さない」ということです。

先に述べた通りSelf Talkingには反復性が必要です。使う語彙や文法が毎回変わっていくのは問題ありませんが、スピーキングの中身自体がコロコロ変わるようでは反復になりません

まずはSelf Talkingで話す概要を箇条書きのメモなどにして置き、そのメモを見ながら繰り返し練習してみるとよいでしょう。

それが独学でスピーキングを上達させる練習の第一歩です。

3.スピーキングの瞬発力を上達させるには行動説明を!

反復練習を行うSelf Talkingでは練習する内容をあらかじめ決めておきます。あまりガチガチに決める必要はありませんが、大まかに決めておくことが大事です。

一方、スピーキングの瞬発力を鍛えるなら「行動説明」が有効です。行動説明とはいま自分が行ったことを英語で説明してみるというやり方です。

たとえば勉強しているときにペンを落としてしまった、そのペンを拾うためにしゃがんだのであれば、その時に「私はいまペンを拾うためにしゃがんだ」と言ってみるのです。

コーヒーを飲むためにお湯を沸かしたのなら「私はコーヒーを淹れるためにお湯を沸かした」と言ってみればよいでしょう。

行動説明を行うときに大事なことは考え込まないこと。とにかく猛スピードで考えて、いま自分が行ったことを英語で説明しようとしてみてください。この猛スピードで考えることによってスピーキングの瞬発力を鍛えていきます。

行動説明のメリットは他にもあります。自分の行動を説明しようとしてみると、自分の日常と深い関係がある事柄なのにうまく表現できないことが見つかるはずです。

「しゃがむ」とは何と言うのか、コーヒーを「淹れる」はどんな表現なのか、言えないことが見つかったら必ず辞書を引いて言えるようになるまで練習しましょう。

高度な語彙を身につけることはもちろん意味のあることですが、日常的な表現をマスターするためには、まず「何が言えないのか?」を知ることが大事です。行動説明は「身近な事柄で言えないこと」を発見し、スピーキングを上達させる絶好の機会になるでしょう。

4.AIは独学スピーキングの強い味方!

独学でスピーキングの練習をするときには、自分の話している英語が正しいかどうか、どうしても気になるものです。

「英語が正しいかどうかはさて置いて、とにかくスピーキングの練習量を増やしましょう!」という人もいます。

たしかに、英語の正しさにこだわりすぎて練習量が少なくなるのは考え物です。

しかし、「これで正しいの?」と不安を抱えながらスピーキングの練習を続けていると、モチベーションが下がってしまい、結果として上達を妨げることにもなります。

スピーキングだけでなく、英語を独学しようとする人は、やはりAIを味方につけるべきです。

スピーキングしながら「上手く言えていない」「正しいか自信がない」と感じるところは、自分が作った英語をライティングのチェックアプリなどに入力してみましょう

個人的にはDeepL Writeがお勧めですが、それ以外にも手軽に使えるライティングのチェックアプリはたくさんあります。

時間的な余裕がある人は、2~3個のチェックアプリを併用してみても良いでしょう。

1つのアプリではNGが出た英語も、別のアプリではOKが出ることがあります。セカンドオピニオンを求めるように、複数のアプリを併用してみるのも有効です。

AIを使うのは独学で英語を上達させようとする人の強い味方です。しかし、使い方を間違うと、上達を妨げてしまいます

たとえば、Self Talkingするときに、「上手く英語にできない」ことを、安易に翻訳ソフトにかけて英語にしてしまうのはNGです。

このようなAIの使い方をしてしまうと、自分で英語を作る力が伸びないからです。

上手く英語にできない場合は、まず日本語で「本当に言いたいことは何なのか」「より簡単な日本語で表現できないか」を考えてみましょう。

そして「どうしても英語にできない」ことについてのみ、翻訳ソフトの力を借りるようにしましょう。

独学でスピーキングの練習をするときは、あくまで英語の正しさをチェックするときにAIを活用するとよいでしょう。

ゴルフが上手くなりたければ、ゴルフをするしかありません。泳ぎが上手くなりたければ、泳ぐしかありません。スピーキングも同じです。うまく話せるようになりたければ話すしかないのです。もちろんやみくもに練習すればよいというわけではありませんが、練習量が足りなければ上達は望めません。今回ご紹介したSelf Talkingを参考にして、ぜひスピーキングの練習を日常に取り入れてみてください。そしてどんどん自分の言葉で話し、スピーキング力を上達させていきましょう!
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