英文法を勉強するときの大切なポイント5選(後編)
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1.英語と日本語との共通点を活用する
言うまでもなく日本語と英語は、歴史も文化的背景も異なる別々の言語です。
しかし「コミュニケーションのツール」であるという点では、日本語も英語も同じです。
そこに着目すると、文字や単語、文の作り方は違っても、コミュニケーションにおける「根本的な発想」には共通点が数多くあることが分かります。
この共通点を活用すると英文法の理解が深まり、自分でもその英文法を駆使して英語文を作ることができるようになり、自在に英会話を楽しむことができるようになります。
1つ例を挙げてみましょう。次の英文法のルールをご存知の方は多いと思います。
時・条件の副詞節では未来のことでも現在形で表す
この英文法のルールを何度も何度も唱えながら、頭に叩き込んだという方も多いことでしょう。筆者もそのようにしてこの英文法のルールを覚えました。
しかし、なぜ未来のことなのに現在形で表すのでしょうか?
ここでも英文法の勉強に英語ネイティヴの感覚を取り入れてみると、この英文法のルールを理解するのは難しくありません。
ごく簡単に説明しますが、何か「条件」を設定するとき、英語ネイティヴの頭の中では、その状態や動作があたかもいま目の前で展開しているように思い描かれるのです。
いま目の前で展開しているように感じられるから、未来形ではなく現在形で表現する、それだけのことなのです。
具体的な英語文で考えてみましょう。
If you go to the bookshop tomorrow, can you buy “Bunshun” for me?
この英語を話している段階で、英語ネイティヴの頭の中には、相手があたかもいま本屋さんに行っているイメージが浮かんでいるのです。
だからIf you will goではなくIf you goと現在形で表現しているのです。
そしてよくよく考えてみると、日本語でもこれと同じ発想・運用をします。
もし明日、本屋さんに行くなら、『文春』を買ってきてくれない?
私たち日本語ネイティヴはこんなとき、「行くだろうなら」なんて言わないですよね。「行くならば」と現在形を使っています。
これは簡単な例ですが、このように日本語でも未来のことを現在形で表現することがありますよね。
別の例を挙げてみます。
go bad「悪くなる→腐る」
go wrong「おかしくなる」
go missing「行方不明になる」
これらの表現にはすべて”go”が使われていますが、これは「変化」を表す”go”です。
よくよく考えてみれば、日本語でも「変化」を表すときに「行く(いく)」という言葉を使います。
私たちは徐々に疎遠になっていった。
このままでは財政が厳しくなっていくだろう。
“go”「行く」だけではなく、”come”なども「変化」を意味しますが、英語では「移動」を表す言葉は「変化」につながるのです。
日本語でも「来る」は「変化」を表しますし、そもそも「移る」という日本語も変化を意味します。「季節が移り変わる」なんて言いますよね。
このように英語と日本語には、「発想」の点で共通点は数多くあるのです。
その共通点をうまく活用することが、英語の理解を深めるための大事なポイントなのです。
2.英語でアウトプットする訓練を取り入れる
英語も日本語も「技能」ですから、いかに頭で理解していても「訓練」「練習」をしなければ「使える」ようにはなりません。つまり「英語でアウトプットする訓練」がポイントなのです。
また英語でアウトプットする練習をすることで、英文法の理解が深まり、より上手に英文法を活用できるようになります。
もっとも効果的なアウトプットの訓練は「自分で英語文を作ってみる」ということです。英語に限らず言語というものは「自分の言葉」で使ってみこそ、初めて自分のものになるのです。
英文法の参考書などで英文法のルールを学んだら、その英文法を使って自分で英語文を作ってみましょう。そしてその英語文を何度も何度も口に出して練習してみてください。
もし自分で英語文を作ることが難しければ、参考書などに載っている英語の例文の一部を変えて英語文を作ってみるとよいでしょう。
筆者の手元にある英文法の参考書で「不定詞の形容詞的用法」のページを見てみるとこのような英語の例文が載っています。
I have no one to help me.
「私には助けてくれる人がいない」
この英語文をただ何度も繰り返して暗唱したとしても、それだけでは「自分の言葉」にはなっていません。
そこでこの英語文の一部を変えて、
I have no friends to help me.
とすると、少し「自分の言葉」になりました。さらに他の一部を変えて、
I have no friends to talk with.
とすると、さらに「自分の言葉」に近づいています。
英語の例文の一部を変えるだけでなく、英語例文に「ちょい足し」をしても良いでしょう。
I have no friends to talk with when I am lonely.
このように徐々に英語の例文を「自分の言葉」にして、それを発声していくことがもっとも身近なアウトプットの訓練です。
3.自分に関係のある英語文で練習する
学んだ英文法を用いて英語文を作ったり、英語の例文の一部を変えたりして練習するとき、気を付けておきたいポイントが1つあります。それは「自分に関係のある英語文を作る」ということです。
たとえば、いざというときには助けてくれ、孤独なときには話し相手になってくれるような友達がいる方は、上記のような英語文を作らない方が良いでしょう。
なぜならば、そのような英語文を作って練習しているご本人自身が「こんな英語を使う機会なんかないけどね…」と誰よりも分かっているからです。
大脳生理学の研究では「人間の脳は不必要な情報を吸収することをためらう」と言われています。
「自分に関係のない英語文」を作って練習しても、英語・英会話の学習効率は上がらないのです。
上記の英語例文の”I have no”の部分を固定して、他の一部を変化させて「自分の言葉」で英語文を作るときには、まず「自分には何がないか?」を考えてみるとよいでしょう。
身近なことで良いのです。「時間」がない、「チャンス」がない、「やる気」がない、「欠点」がない、「醤油」がない…。
このような作業の中で「自分に必要な言葉」が見つかります。そしてその言葉を英語で表現できなければ辞書などを引いてみましょう。
「自分に関係のある英語文」を作るということは「自分に必要な英語の言葉」を発見し、覚えることにつながるのです。
このように英文法学習の中に英語によるアウトプットの訓練を取り入れることで、英文法知識の定着効率を上げるとともに、英語の語彙力を充実させるという効果も期待できるのです。
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