英語の上達には絶対に必要?目的と目標の設定方法(1)
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1.安易な目標設定はかえって危険?
「英語・英会話の勉強をするときに目標があった方がいいと思うので、とりあえずTOEICでも受けてみようと思うのですが…」といったご相談を受けることがしばしばあります。
しかし「とりあえずTOEICでも…」と言った方で、目標スコアに到達した人を私はほとんど知りません。
どんな目標でも、それを達成するときには大なり小なり苦労が伴うものです。苦労に直面したとき、踏ん張って勉強を続けられるかどうかは「どれだけその目標にコミットする気持ちがあるか」にかかっています。
「とりあえず…」でTOEICを勉強している人は、目標にコミットする気持ちが弱いのです。なぜならその目標に実質的な意味がないことを、当の本人が一番よく知っているからです。
英語の勉強が難所に差しかかったとき、ついつい「まあ、どうしてもTOEICでスコアが必要ってわけじゃないし…」という気持ちが出てきて、踏ん張りがきかないのです。
また、よく考えず安易に目標を設定することで、英語・英会話の勉強が遠回りしてしまうこともあります。
本当はスピーキング力を鍛えたいのに、とりあえずTOEICや英検を目標にしてしまうと、リーディングやライティング、日常会話では使わないような英単語の勉強にまで手を伸ばすこととなり、結果として自分の手に入れたい英語・英会話力が遠のいてしまうこともあるのです。
このように、目標を立てることはとても重要ですが、「どんな目標をどのように立てるか」についてよく考える必要があるのです。
2.目的と目標の関係性を考える
英語・英会話の勉強において、効果的な「目標」を立てるためには、「目的」についてよく考える必要があります。
「より良い仕事に転職する」「英語で日常業務をスムーズに行う」「海外の学校で学ぶ」「海外の友人・知人と英語で会話を楽しむ」などなど、習得した英語・英会話力を使って何かを成し遂げたいと思うのが普通です。
この成し遂げたいことが英語・英会話を学ぶ「目的」というわけです。
そして「目的」を果たすための目安になるものが「目標」でしょう。目標はあくまで「目的」を果たすための通過点に過ぎないのです。
ところが、この「目的」と「目標」を混同してしまっている人は案外多いものです。
たとえば英語・英会話の習得は「目標」であって「目的」ではないはずです。英語・英会話力を手にするのは通過点に過ぎず、手に入れた英語・英会話力で何を成し遂げるかが重要です。
「目的」を抜きにした「目標」、または「目的」と混同された「目標」は悲劇をもたらすことがあります。
少々恥ずかしいのですが、例として、筆者の苦い経験についてお話ししましょう。
高3生のとき、筆者は第一志望の大学に合格することを「目的」として、日々机に向かい猛勉強していました。
しかし大学に合格することは「目標」であって「目的」ではないはずでした。
大学合格は単なる通過点に過ぎません。入学した大学で何を学びたいか、その学びを活かして何をやりたいか、これが「目的」と呼ぶべきものです。
筆者はこのとき、「目的」と「目標」を混同していたのです。
結果として、希望の大学に合格したのは良いものの、そこで何をしたいかという「目的」がまったく分からず、大学から足が遠のき、結果として大学を中退してしまいました。
「目的」と「目標」を混同すると、このような悲劇を招くことがあり得るのです。
英語・英会話の学習も同じです。まずは立ち止まって英語・英会話を学ぶ「目的」をしっかりと考えましょう。
そしてその「目的」を果たすための「目標」として英語・英会話の学習を捉えることが重要だと言えるでしょう。
3.目的を設定するときの注意点
英語・英会話の勉強をするとき、どのように「目的」を設定すればよいのでしょうか?その注意点について、考えてみたいと思います。
1.「目的」の具体的なイメージを持つ
目的を考えるときに大切なのはできるだけ具体的なイメージを持つということです。
たとえば「ビジネスで使えるように英語・英会話を学ぶ」という目的を持っている人と、「ビジネスミーティングで相手の意見を聞き取り、自分の意見も言えるようになるために英語・英会話を学ぶ」という具体的な目的を持っている人では、学習をどう進めるかという指針に違いが出てきます。
英語・英会話を学ぶのは何のためかという目的を考えておくことで、学習へのアプローチが明確になり成果を上げやすくなるわけです。
2.英語・英会話を学ぶ「目的」は段階的に考える
英語・英会話を学ぶ目的を考えるときは、段階的に考えていくとよいと思います。
まず大目的を考えます。「ビジネスで使う」「旅行で使う」「友達と会話する」など、この段階の目的はある程度アバウトでよいでしょう。
次にもう少し具体的な中目的を考えてみます。
ビジネスを例にとってみると「ミーティングで使う」「商談で使う」「プレゼンで使う」などです。中目的は英語を使う場面を想像してみると設定しやすくなると思います。
最後にかなり具体的な小目的を考えてみます。
ビジネスミーティングで英語を使うという前提で考えてみると、どんなことが議題となるミーティングなのか、どれくらいの頻度で開かれるのか、対面ミーティングかテレフォンカンファレンスか、相手の意見を聞き取るのが主か、自分の意見を言うのが主か、できるかぎり具体的に考えてみましょう。
小目的を考えるときはいわゆる5W1H(いつ、どこ、だれ、なに、なぜ、どのように)を目安にして考えてみるとよいでしょう。
3.「目的」の変化には柔軟に対応する
気を付けておきたいのが、中目的や小目的は変更される可能性が多分にあるということです。
大目的が変わることもありますが、中目的や小目的はその時々の状況に応じて変化していくことがよくあります。
英語を学ぶ目的が変わったとしても、学習に対する基本的なアプローチが劇的に変化することはないかもしれません。
しかし学習のアクセント置き方は変化すると思いますし、目的が変わればモチベーション管理の方法も変わってくるでしょう。
目的が変化しそうなときは柔軟に対応することが必要です。最初に決めた目的に固執する必要はありません。新たな目的について少し時間を取って考えてみるとよいでしょう。
一度決めたら最後までやり通すことは美徳とされますが、学習の目的については状況に応じて柔軟に変更・再検討してみることが重要です。
4.英語学習における手段の目的化
一般に、手段を目的と混同することは好ましくないとされることが多いと思います。
ここまで筆者も、英語・英会話の勉強はあくまで「目標」、つまり「目的」を達成するための通過点であると述べてきました。
言葉を変えれば、英語・英会話の習得は「目的」を達するための手段と言っていいでしょう。
ですから、英語・英会話の習得についても「目的」を考えるべきで、そのやり方についても数点ご紹介しました。
これらを踏まえた上であえて言えば、英語・英会話の学習に関しては、それ自体が「目的」となっても良いと思うのです。
簡単に言えば、「英語・英会話を学ぶことが楽しいから、学ぶこと自体を目的とする」ということがあっても良いと思うのです。
英語・英会話を学ぶときには必ず「学習以外の」「別の」目的が必要だと主張しているわけではないことを知っていただくために、あえて付言しました。
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