不安な気持ちをマネジメント!英語学習レコーディングのすすめ
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目次
1.英語・英会話力の伸び方と伸びの実感
そもそも英語・英会話力はどのように伸びていくのでしょうか?
このことを考えるときには英語・英会話力の「実際の伸び」と「伸びの実感」を区別する必要があります。
正しい方法で頑張って勉強を継続していれば英語・英会話力は必ず伸びていきます。
学習量や学習時間、そこに費やした努力は正しい学習法を取っている限り決して裏切ることはありません。
その意味で英語・英会話力の「実際の伸び」は努力と正比例すると言っていいでしょう。
しかし英語・英会話力の「伸びの実感」は実際の伸び方と異なるように思われます。
実力の伸びや上達の実感は「階段状」になると言われることがあります。
つまり勉強の成果を、学習後すぐに感じ取ることができない場合が多いのです。
ある程度の学習時間と学習量を積み上げた後で、ある種、唐突に「あれ!?できるようになっている!」と感じることが多いわけです。
努力しているのに実力アップを感じられない期間、これを筆者は「潜伏期」とか「踊り場」と呼んでいます。
この「踊り場」の期間をどう持ちこたえるかがとても大事だと言えるでしょう。
努力していてもなかなか実力アップを実感できないと不安な気持ちになります。
そこで今まで続けてきた正しい勉強のやり方を捨ててしまったり、英語の勉強自体を諦めたりしてしまう人がいます。
しかしそれでは、せっかく積み上げてきた努力が水の泡になってしまう可能性があります。
筆者の指導経験上の実感ですが、学習効果がなかなか上がらない人には、踊り場の期間に感じる「上達していない」という不安から、勉強法をコロコロ変えたり、あれもこれもと手を広げたりしてしまう人が多いように思います。
学習の成否を分けるのは継続ですが、踊り場の期間に感じる不安をうまくマネジングできるかどうかが、学習を継続できるかどうかの分かれ目と言えるでしょう。
2.踊り場は英語力アップとともに長くなる
厄介なことに、この踊り場の期間は英語・英会話の実力が向上すればするほど長くなる傾向があります。
英語・英会話学習の初期段階では日々新しい知識に出会うことが多く、その知識を活用する練習さえできていれば、毎日のように上達を実感できます。
「今日はこの表現を覚えた!」「今日はこんなことが言えるようになった!」と、比較的頻繁に英語・英会話力の向上を感じることができるでしょう。
しかし学習が進めば進むほど英語・英会話力が伸びているという実感は持ちづらくなる傾向があります。
また上達を実感したとしても、その伸び幅は英語・英会話学習の初期段階に比べれば小さく感じるかもしれません。
ただ「実感ができない」ということと「伸びていない」ということはイコールではありません。
正しいやり方で努力を続けていれば、英語・英会話の実力は必ず伸びています。
実力アップが感じられず不安な思いをしているときほど「努力は裏切らない」ということを思い出すことが大事です。
3.踊り場を乗り切る「英語学習レコーディング」
「努力は裏切らない」と信じていても、実際の英語・英会話力アップを実感できなければ不安で心が折れてしまいそうになります。
この不安な期間を乗り切るために有効なのが学習履歴の可視化ということです。
学習したことを目に見える形にしておくことで「今は潜伏期だから英語・英会話力の伸びを実感こそできていないけれども、これだけの学習を積み重ねているから大丈夫だ!」という安心材料になると思います。
この学習履歴の可視化を私は「英語学習レコーディング」と呼んでいます。
学習した内容、学習に費やした時間、学習を通して感じたことなどを記録していきます。
これは筆者が実際に利用している英語学習レコーディングです。
私はExcelで記録を取っています。学習時間の合計などが簡単にできるからです。
このように記録を取っておくことで、たとえ英語・英会話の上達が実感できなくとも、自分が積み上げてきた努力を確認することができ、「大丈夫!これだけやっているのだから!」という安心感を持つことができるでしょう。
4.英語学習レコーディングの具体的な内容
「英語学習レコーディング」を取る目的は、英語・英会話力の伸びがなかなか感じられない時に学習記録を見直し、「大丈夫!自分はこれだけやっているから!」と自分を落ち着かせ、不安を和らげてあげることです。
もちろん記録に基づいて、自分の学習に足りないことを分析し、今後の学習計画に活かすことができればベストですが、まずは自分の安心(または反省)材料として記録を取るとよいでしょう。
一般的に人間が安心を感じるのは、「内容」よりも「数量」だと言われています。
「今日は『不定詞』をやったから大丈夫!」というよりも「今日は2時間勉強したから大丈夫!」の方が安心を感じられるそうです。
この観点に立てば、英語学習レコーディングで記録すべきことは「数量」だということになります。
「学習時間」「学習した語彙の数」「読んだ英文の本数」「聞いた英文の本数」などを中心に記録しておくとよいでしょう。
学習した内容は「文法(G)」「リーディング(R)」「リスニング(L)」「スピーキング(S)」「ライティング(W)」「単語学習(V)」など、大まかなものでOKです。
筆者はExcelシート(またはGoogleスプレッドシート)を使って記録を取っています。
参考までに筆者が行っている学習レコーディングを掲載しておきます。(筆者はすでに英文法の勉強は行っていませんので、「分野」のところに「G(文法)」の記録は取っていません)
5.英語・英会話学習の記録はシンプルに
英語学習レコーディングを取るときは、できる限りシンプルにします。
あまりにも詳しい記録を取ると、記録を取ることが目的化してしまいます。レコーディングの作成に時間がかかり、英語の学習時間が減ってしまっては本末転倒です。
また記録を取る時間を短縮するために、関数などを上手に活用しましょう。
たとえば「日付」や「曜日」を毎回打ち込むのは時間の無駄です。
筆者は記録する月の最初の週の月曜日の日付を「第1週」のシートの「A3」のセルに打ち込むと、その月の「日付」と「曜日」がすべて自動で記入されるように設定しています。
また日々の「学習時間」や「学習語彙数」、読んだり聞いたりした記事の「本数」は手で打ち込みますが、それらの「週計」「月計」は自動計算できるような関数を利用しています。
※詳しいやり方を知りたい方はGoogleなどで調べてみてください。調べるのが面倒な方は、この記事の最後に「学習レコーディング」のフォーマットを掲載していますので、活用してみてください。
6.英語学習に関する「数値」はしっかり記録する
学習時間、学習した英単語や英語表現の数、読んだり聞いたりしたテキストの数などはきちんと記録しておきましょう。
ただ単に「Japan Timesを読んだ」だけでは、何本の記事を読んだのか、それにどれくらいの時間がかかったのかがあいまいで、あとから見直したときに学習量が把握できません。
記事の中身などまで記録する必要はありませんが、少なくとも「どれくらいの数」を「どれくらいの時間」をかけて読んだのかなどの数値は記録しておいた方が良いでしょう。
また「学習した英単語・英語表現の数」もしっかりと記録します。
「学習した英単語・英語表現の数」は「初めて知った英単語・英語表現」の数にしてもいいですし、「初めて知った+記憶があいまいで覚え直した英単語・英語表現」の数にしてもいいでしょう。
あまり細かく考えて、「これは『学習した英単語・英語表現』に入れてもいいのか?」と迷っていると、時間がもったいないので、「勉強になった!」と思えたものはどんどん「学習した英単語・英語表現」に入れてしまうとよいでしょう。
7.週ベース・月ベースで記録する
英語学習レコーディングは週ベースで取ることがおすすめです。
その1週間に学習したことを一覧的に分かるようにしておくことで、週ごとの学習のバランスや学習時間の推移が分かりやすくなります。
その上で月ごとの記録もシンプルに取っておくとよいでしょう。
月ごとのレコーディングは1か月の総学習時間を記録しておけば事足りますが、時間があればその月に聞いたニュースの総本数、読んだ記事の総本数、勉強した語彙の総数なども記録しておけば、安心材料としてより確かになります。
このあたりもExcelやGoogleスプレッドシートの関数をうまく活用して、自動計算・自動記入できるようにしておけばよいでしょう。
筆者は学習結果の推移が一目で分かるように、自動でグラフが作成できるようにしています。
筆者は年計も取っています。これは数値を手打ち入力することになりますが、月ごとの推移や学習分布を把握できて便利です。
8.英語・英会話学習の所感を記録する
英語・英会話学習を通じて感じたことを簡素でいいから記録しておくとよいでしょう。上手くいったこと、反省したことなど何でも構いません。
学習していく上で「気づき」があるということは深い学習ができている証拠です。
逆に学習する中でなんの「気づき」もないということは、学習が悪い意味で「自動化」(ただこなしているだけ)している可能性があります。
所感は毎日書く必要はありません。週ベース、月ベースで「まとめの所感」のようなものを書いておけばよいでしょう。
もちろん、その日の学習で特に深く気付いたことがあれば、日ベースで所感を書いてもかまいません。
参考までに筆者が使っている学習レコーディングのフォーマットを掲載しておきます。
ご使用になる方は「コピーを作成」「ダウンロード」などをしてください。
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