英語の上達には絶対に必要?目的と目標の設定方法(2)

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前回の記事では英語・英会話学習における「目的」の大切さについてお話ししました。「目的」が決まれば、それに沿った「目標」を決めることができます。今回の記事では「目標」を立てるときの注意点について考えてみたいと思います。

1.英語学習の「目的」が定まれば「目標」も決まる

何のために英語・英会話を勉強するのかという「目的」が定まれば、学習における「目標」も決めやすくなります。

「金融商品のビジネスミーティングで英語・英会話を使う」という目的で勉強する人ならば、ミーティングでよく使う表現を覚えたり、金融関係の英単語・英語表現を覚えたりすることが「目標」の1つになるでしょう。

もちろん特定の分野に特化した訓練が成果を発揮するための前提条件として、基本的な英語力は欠かせませんから、英文法や一般的な英単語・英語表現の習得も「目標」となるでしょう。

英語・英会話を使う目的に近づくためにクリアすべき課題、それが「目標」です。ただぼんやりと「とりあえず…」的な雰囲気の中で決まるものではありません

2.英語学習の目標はsmall stepsに落とし込む

英語・英会話の勉強において、中長期的な目標を持つことは学習全体のロードマップを作る上で重要です。

しかしそれをより実のあるものにするためには、英語・英会話学習の目標をsmall stepsに落とし込むことが欠かせません。

small stepsに落とし込むとは、「『長期目標』『中期目標』『短期目標』のように段階的に目標設定をする」などと言い換えてよいかもしれません。

たとえば「外資系に転職する」という「目的」を果たすため、「TOEICで800点を取る」という目標を立てたとします。

しかしこれでは目標がアバウトすぎるように思います。目標はアバウトになればなるほど到達可能性が低下します。

いつまでに800点取るのか、そのためにはいつまでにどの分野(TOEICで言えばリーディングパートとリスニングパート)をどのレベルまで引き上げる必要があるのか、そこまで落とし込む方が良いでしょう。

すると目標を達成するために「〇月〇日までには英文法の□□の項目をマスターしなければならない」「×月×日までには英単語帳の△ページまで覚えなければならない」「◇月◇日までにはTOEICの公式問題集を一通りやっておかねばならない」という小さな到達目標が設定されるはずです。

言ってみれば、「TOEIC800点をクリアする」というのが「長期目標」、「○○までにリーディングパートで□□点、リスニングパートで△△点のレベルに引き上げる」というのが「中期目標」、「×月×日までに英単語帳の△ページまで覚える」などが「短期目標」ということになるでしょう。

この小さな到達目標=短期目標を1つずつクリアしていくことが、中長期目標の達成につながり、中長期目標の達成によって、「目的」を果たすために必要な英語・英会話力が身についていく。これが理想的な学習サイクルだと言えるのではないでしょうか。

3.目標設定における「あそび」の時間

英語・英会話学習において、せっかく立てた目標が到達できないまま計画倒れに終わってしまう人もいます。筆者もそのような経験を数知れず繰り返してきました。

そんな人たちを「意志薄弱」と切り捨てるのは簡単ですが、大事なのはなぜ目標が達成できないかを考えることではないでしょうか。

目標が到達できない理由の1つは目標に実質的な「目的」が伴っていないということで、これはすでに述べました。

もう1つの原因として「あそび」の時間が作られていないということがあると思います。

「あそび」の時間とは単なるリラックスタイムということではありません。「予備時間」という意味です。

社会に出て働きながら、また家庭の用事をこなしながら学習を進める場合、どうしても不測の事態は生じます。

急な残業だったり、断り切れない飲み会だったり、子どもが熱を出したり。そのような不測の事態によって予定が狂ってしまうことがあります。

その狂った予定を取り戻すための予備時間、それが「あそび」の時間です。

この「あそび」の時間を作っておかないと、何か1つ予定が遅れ目標到達が難しくなると、その後はどんどん歯車が狂っていきます。

そして計画の狂いや乱れはモチベーション低下の大きな要因となってしまいます。

「あそび」の時間は気持ち多めに取ってあげるとよいでしょう。

そしてその週はすべてが予定通りに行き、「あそび」の時間は必要ないとなったら、その時間で学習を先に進めるもよし、復習の時間に充てるのもよし、リラックスタイムとして文字通り「遊び」に出かけてもよいと思います。

また、ダイエットや筋トレにで「チートデイ」と呼ばれる日が設定されることがあるように、英語・英会話の学習においても「チートデイ」を作っても良いでしょう。

長い間、「ひたすら自分に厳しく!」というアプローチは美徳とされてきたように思いますが、「学習を継続しやすい環境」を構築することも、英語・英会話の上達には必要だと思います。

もちろん、学習における負荷が低すぎると、思うような成果が出ないこともありますから、あまりに甘すぎる目標設定には注意が必要です。

「目的」や「目標」は人によってそれぞれです。特に目標は「立てては挫折し」を繰り返すこともあるでしょう。そんなときは思い切ってすでに立てた目標を一度捨て去ってみることも大事です。

4.目標の管理を外部システムに委託する

英語・英会話学習において目標を設定し、その目標に沿って勉強を進めるときに、進捗状況の管理というのはなかなか骨が折れる作業です。

筆者は自己鍛錬の意味も含めて、できる限り自分で進捗管理をするようにしていますが、必ずしも自分で管理する必要はないと思います。

最近では英語・英会話の学習用の有用で手軽に利用できるアプリがたくさんありますから、そのようなものを活用してみるのも良いでしょう。

このようなアプリの中には、学習の履歴や進捗を可視化してくれるものも多いので、目標に近づいているか振り返るのに便利です。

英語・英会話スクールに通ったり、コーチングサービスを利用したりしている方は、スタッフとのカウンセリングなどを有効に活用して、進捗管理をするのも良いでしょう。

目標達成に向けて、自分以外に適切にコミットしてくれる存在があると、モチベーション維持の点でも「強制力」の確保という点でも、メリットがあるものです。

このようなアプリやカウンセリングサービスなどを、筆者は「外部システム」と呼んでいますが、外部に委託できることは思い切って任せてしまい、捻出できた時間でさらに学習を前に進めるという選択肢を取ることも検討してみて良いと思います。

「目的」をよく検討し、それを達成するための「目標」を立てることで学習を効果的なサイクルに乗せていく。これが手に入れたい英語力を獲得するためには決定的に重要です。「目的」や「目標」を考えずに学習を続けることは、海図や羅針盤を持たずに大海原へ漕ぎ出すようなものです。危険極まりない行為なのです。「目的」や「目標」について立ち止まって考える時間を取り、効果的な学習を行っていきましょう。
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